Entre la poire et le fromage 

『洋ナシとチーズの間』 フランスのよしなしごとを徒然なるままに

Ne refusez pas qui vient, ne pas chassé après qui va/来る者拒まず去る者追わず

 来るもの拒まず、去る者追わず、という言い方がある。もとは中国古来の諺らしく、自分から心を寄せてくるものは受け入れ、去ってゆく人は引き留めない、ということ。孟子が弟子を受け入れる時に決めた、他人の意志を尊重するやり方だ。東洋思想的には殊勝で美しい。

 実は、日本人的感覚からすると、ちょっとビックリすることを書いてしまうかもしれない。

 私はこれまで「これ」を使って責任逃れをしようとする人をそれなりに見てきた。(気がする)。おかげで若い頃は、なんて「無責任」な、都合のいい、身勝手な言葉があるもんだ、と思っていた。

 私なんか、自分の責任・監督下でいったん引き受けた人間なら、殴ってでも、血をはいてでも逃げ出すなんて許さない。じゃあ最初の覚悟はなんだったね、という話になってしまう。逆に、どんなに向こうからおべっか使ってやってきたとしても、それが一時的なもの、完全に能力の足りないもの、あるいは、単に自分を利用しようとする悪意に満ち溢れたものだったりしたら、絶対に受け入れることなどできない。最初からきっぱり断った方が、お互いと周囲のためである。

ーーーそもそもそういう考えを持つこと自体、東洋的でないというか、「従順な」人間じゃないのかしらん。部下なんかだと、ちょっと使いづらいかもしれませんね。

 指導者たるもの、この言葉を私に言ってみろ、ただじゃおかねえ・・・ぐらいに思っていた若き日、、、もあった。実のところ、今も思っている。決して「若気の至り」じゃない部分が、少なからずある。そのことを、私はあんまり恥じていない。

 ところで、これは英語で言うなれば「Those who come are welcome, those who leave are not regretted.」「Do not refuse who comes, do not run after who goes.」 とかなるんだろうか。まさに直訳ですが。で、そこから仏語訳をつくってみる。(何故2段階を踏むのだ・(笑)その方が慎重だから)Ne refusez pas qui vient, ne pas chassé après qui va ちょっと回りっくどくないか?もっとシンプルに行ける気がするのだが・・・。

 

 そもそも、なんで唐突にこの東洋の言葉を思い出したかというと、以外にも、フランス人ってこんな感じかも、と思ったからである。「あんたのことはあんたが決めてね。来ても勝手、去るのも勝手、僕しらないもんね」そういう態度はまさに、フランスっぽい香りがむんむん。

 実際のところ、どうなんでしょう。それって私の偏見でしょうか。ねえ、フランス人のみなさん。