Entre la poire et le fromage 

『洋ナシとチーズの間』 フランスのよしなしごとを徒然なるままに

Chim chim-in-ey,――ディズニー映画『メリー・ポピンズ』より

 小学校の時『みんなのうた』で日本語版の「チム・チム・チェリー」が流れていた。一度聞けばすぐにインプットされるあの独特の曲調。私は歌が大好きだったから、このメロディーがなんてもの悲しく、煙突掃除屋さんの悲しみを歌った歌なんだろうと、勝手に解釈してた。

 それがあのディズニー映画の『メリー・ポピンズ』のものだった、と知ったのは、もうずっとずっとあと、大人になってからのことである。

 昨年秋に映画『ウオルト・ディズニーの約束』が世界で公開され、日本語版はこの春に上陸していた模様。一言で言うと、ウオルトの映画『メリーポピンズ』制作秘話だ。8月中旬よりオンデマンドサイトでレンタル開始になるので、パリの映画館で、フランス語で下手に見るよりは(その映画で“ほんとうに大事な一言”を逃してしまったりすることがこれまで何度かあった。自分にとって、映画で『細部が分からない』ということほど、致命的なことはないように思う)理解不足のないよう、ituneの日本語字幕レンタルを待ったほうが、現段階の語学力では懸命だ。メリーポピンズ筆者の辛辣なセリフの数々がどう訳されているかが聞きたい。

 というのもあって、小雨降るまだ3月みたいな7月の日曜の午後、小説で使う下調べを兼ねて『メリーポピンズ』の1964年映画のほうを300円でレンタルで見た。ロンドンでミュージカル舞台は見たが、考えてみたら、オリジナル映画のほうはもしかしたらちゃんと通しで見るのは初めてかも。

 チムチムチェリーの歌を聞いて驚いた。あれ~~。日本語版とぜんっっぜん、歌詞の意味が違うではないか!!!舞台で見た時は演技やダンスに集中していたからそこまで思い至らなかったのだろう。

 これ、「煙突掃除人と握手すると幸福が訪れる」というイギリスの伝説から作らている。それから煙突掃除人とチムニー(煙突)とかけているんだ。(ちなみに英国の地方サッカーチームの応援歌らしい)歌詞は「グッドラックはこぼれ落ちてあなたのもとへ!」「あるいは、投げキッスでも同じこと!」なので、考えようによってはポジティブだけど。日本語の歌では(少なくとも私が幼少期に覚えた)こんなノリノリフレーズなかった、と記憶していた。「埃と灰にまみれて過ごしても、世界にこんな幸せな奴はいない。こころはプライドに溢れている。ロンドンの屋根の上からの景色は最高」という(著者訳)ーー。もっと早く気付いていれば良かったかな。

 英国ってやっぱり演劇の国だ。フランスにない伝統と格式の重さが、パリに住んでみてより強く感じられる。この1964年のミュージカル映画ひとつにしても。

 ジュリー・アンドリュースは背筋が伸びていて、どんな時もとても気持ちがいい。「服は大事よ」「完璧な人間は感情に流されないの」。彼とは恋人じゃなくずっと昔からの「仲間」というのもcoolだ。横顔が天海祐希さんに似てる瞬間があってビックリ(笑)あ、逆かも。 

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