Entre la poire et le fromage 

『洋ナシとチーズの間』 フランスのよしなしごとを徒然なるままに

SHERLOCK/シャーロック3-3 His last vow 『最後の誓い』感想その2 ヒューマンエラー/マインドパレス編

1)(20分前後)221Bへ現れたマグヌッセン。SHはあくまで紳士的に交渉依頼を持ちかけるも『傍若無人』という日本語がぴったりとしか言いようのない態度で二人に接する。

 ここでマグヌッセンの頭脳ファイルからSHの情報が引き出されている。これは邦訳字幕に変換しておいた方が良かったんじゃないかなあ。一時停止して画面に書かれているのを読んだ限りでは『シャーロック・ホームズ:コンサルティング探偵、財政状況は不明、ポルノ嗜好:ノーマル、兄:マイクロフト。ホームズ(MI6/他ファイル参照):プレッシャーポイント(弱点)これが赤字だったために背景の壁の色と一緒になって読みとりづらかった。名前があったのがアイリーン、モリアーティー、ジョン・ワトソン、アヘン、バスカヴィルの犬、レッドベアード』となっていた。

 注:マイク兄のMI6については「英国機密情報部」Secret Intelligence Service。これだけで1記事分のボリュームがあるため終了後にテーマ回として追求しよう。

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2)マグヌッセンが立ち去り際にみせた内ポケットの手紙、SHは「彼は交渉に応じるつもり」だと判断。弱点(自分は麻薬中毒者で大した男ではない)を敢えて相手にさらしたのはSHなりの戦術だった。<ここでもバカなマスコミが一役かっている。「やった。もうすぐ『SHは中毒者』ニュースが新聞をにぎわすぞ」とSHがスマホをみながら確認したシーンが少し前にあった。なるほど、このために、と繋がる>

3)今夜彼のオフィス侵入を企てるSH。JO:You’re just assuming I’m coming along?なんで僕が行くとおもってんのさ SH:「結婚してから7ポンド増えただろ。そろそろ家を出る頃だ。じゃ、後で、僕は買い物があるから」

4)「CMNews」と書かれた超現代的なビル。ロケ現場はどこでしょうね。近未来的なロンドンの一面です。パリじゃあり得ない。マグヌッセンオフィス侵入。通常最上階と思われますがその通り。住まいはその上。セキュリティーは14段階、うち2つは違法。当然オーナー専用直通エレベーターはある。エスカレーターで入り口まで辿りつきながら、二人がいかにもオフィスにありそうな珈琲カップを手にしているのが新鮮!!スタバっぽくないからカフェネロとかCostaとか?(これもフランスでは見られない)普段そういうもの口にするとは思えないから(笑)いちおう侵入小道具の一つではあるんだろうけれど――似合うのよ、いい男二人に紙コーヒーは。

さあ、シャーロック流・侵入作戦は?

こうならないために利用したのは『ヒューマンエラー』⇒

ジョン激怒

「ヒューマン,エラー」(シャーロック用語)本人がジョンのために翻訳(笑)すると「人間が関わる限り、必ずどこかに弱点があるだろ」まあそれでこそSHのSHたるゆえん。正典『犯人は二人』では婚約まではしてなかった、さすがだ。ジョンがコーヒーを投げ捨て、エレベーターの扉が閉まるタイミングで、もう一度SHが「 Yes. Like I said, human error.だから言ったろ、ヒューマン、エラー」(、でいっかいブレス)絶妙。

5)オフィス見事侵入するも姿が見えない。SH:「It’s a bit rude. I just proposed to her.失礼じゃないか、プロポーズしてるのに」不法侵入&婚約詐欺してる人間のセリフか(笑)見ている時は「まあShだし」とスル―するぐらいだけれど、この脚本かくのはさぞ面白いだろうなあ~と今さら笑いがこみあげてくる。

6)Claire-de-la-Lune:(月の光)フランス語の香水の名前。実在はしないようだがClaire-de Luneなんてパフュームだの化粧品は山ほどある!フランスでは香りの歴史が長く、調香師は専門の学校を出て資格が必要。そして昔から圧倒的に男性の職業です。 だから「香水の香りをかぎ分けられる男」というシュチュエーションは欧州においてかなりポイント高い。洗練された教養と知性を感じさせる。まあSHは化学出身だから専門分野だろう。(注:そう言えばアイリーン・アドラーって香水、何使っていただろう?今さらだけど・シャネルあたりが無難?)

7)何故僕はこの香りを知っている?スモールウッド議員と思って「殺しをするなら香水は別のモノを付けてくることだな」いや違う――この女。メアリー。最初にあった時にSHの頭の中を回った単語が高速で駆け巡る。「うそつき」――Liar・・・

 

「君の秘密がなんであれ、let me help- - - 僕に手助けさせてくれ」こんな非常時に出てくるSHの言葉、どこに偽りがある?きっと本心だった。まぎれもない本心。にもかかわらず

 

メアリー:Oh, Sherlock, if you take one more step I swear I will kill youって言ったね。一歩でも動いたらシャーロック殺すってさ。SH「No, Mrs Watson. You won’t」ワトソン夫人、君はそんなことしない。Shそう断言したのに。Truly am.ってメアリーが言って撃つのだけれど、「私は確実にそうする」という解釈。

8)マインドパレスへ!助言の順番からするとまずはモリー。前へ倒れるか後ろへ倒れるか。制限時間は3秒しかない。続いてマイク兄。「バカだな。後ろに鏡があった。突き抜けていれば?(鏡の割れる音がしたはず)ということは、弾はまだお前の体内にある」⇒答えは「後ろ」に倒れろ!そしてやってくる衝撃と痛みをコントロールしろ!!

 マイク兄

 モリー 

ここがちょっと良く分からない箇所。マイク兄が「マインドパレスの中に落ちつかせるものがあるから、探せ」って言うんだけど。子供時代のレッドベアード(犬)「カモン、僕だよ、おいで」子供時代のSHと画像が入れ替わりで愛犬を呼ぶ。ってかベネディクト、かわいい・・・。この子供役はモファット監督の息子さんだそうな。

Hello, Redbeard. They’re putting me down too, now. It’s no fun, is it? やあレッドベアード。「僕も」今、殺されようとしているんだ。これは大人のSHのセリフだけれど、put downは動物・ペットなどを殺す、処分する、安楽死させる、みたいなときに使う動詞だから、この犬は可哀想に殺されてしまったんだよね。

SH Boy's

さてさて小部屋にかけ込んだSH「お前は痛みなんか感じなかったんだろ」モリアーティーに呼びかける。M「痛みは誰でも感じるんだよ」救急車の中で死へのささやきを歌うモリアーティー。あと一歩のところだったのに。(「気をしっかり持てよシャーロック」呼びかけ続ける救急車の中のジョンもカッコいいんだけどそれはさておいて)ジョンは危険にさらされてるのになって一言モリアーティーが言ったために、停止してた心臓がまた動き出す。モ「Oh, you’re not getting better, are you? Was it something I said, huh?」(え、生き返ろうってんじゃないだろうな?何かぼくヤバイこといっちゃった?)うん、ベタだけどその通りみたいよ。必死でマインドパレスの階段を駆け上がるSH。

注:)モリーが「銃にもよるわね」と言った時メアリーの銃のモデル名が画面に表記されたけどそれは「Cat077899」というもの。メアリーの不思議な文字の中に「CAT」ってあったよね。

翌朝駆けつけたメアリー。目覚めたぞ、とジョンの報告「Oh, you, Mrs Watson ... you’re in big trouble」――でも君はひとつ困った問題を抱えてる。目覚めて最初の言葉が「メアリー」だ。―――ジョンには言わないようくぎをさすメアリー。これはSHの夢?それとも現実?

8)ジャニーン見舞いに来る。

 外国で女一人生きるにはこれぐらいしたたかでないとやっていけない。だからジャニーンに関しては、私はさすがだなと思う部分もあるのだ。SHにしたって例え短期間でも利用するのに「利用しがいも無い、絵にもならない女」だったらちょっと考えちゃったかもしれないけど、一応彼女は見てくれ含め、その他最低ラインはクリアしたわけでしょ。(知性は別としても)。まあこの時点でメアリーに利用されたことすら気づいていないわけだから、むしろ視聴者としては同情すら感じるし、家一軒ぐらいふんだくって何が悪いと(笑)Shだからよかったけど、こいつ悪い男にひっかかったら遊ばれた挙句無一文で捨てられるタイプだから。SHも、ある意味スキャンダルは彼女の今回の報酬(くっ・・・)として、というような気持ちもあったとしても不思議じゃない。

 頭のキレる女じゃないけど「おバカさん」ではないな。Just once would have been nice.「一度でもあれば素敵だったのにね」なんだ、結局SHコトには及んでいなかったのね。まあそんなこったろうと思ったけど。

 新居がサセックス、ミツバチの巣箱」云々には吹きだした~~~。(正典ネタ)

去り際に一つだけ言わせて、と。You shouldn’t have lied to me あなた私にウソ付くべきじゃなかった。あなたどんな人か分かってるから。トモダチにはなれたかも知れないのに。

      ーーーその3へ続く。