Entre la poire et le fromage 

『洋ナシとチーズの間』 フランスのよしなしごとを徒然なるままに

SHERLOCK/シャーロック3-3 His last vow 『最後の誓い』感想その3 ジョンの『業』/シャーロックの直球魂

1)レストレード、事情聴取のためジョンと病院へいくもSHの姿なし。まあ当然ですな(笑)しかもまたレストレード動画撮ろうとしてた!!221Bではジョンの椅子が戻してある。JO「He’s Sherlock. Who would he bother protecting?」あいつはシャーロックだ。誰を守っているんだ?――――アンタしかいないでしょ???

f:id:kotorio:20140928044947j:plainf:id:kotorio:20140928044959j:plain

2)Shの行きそうな場所。モリーの寝室ってのにはウケタけど真実味あるな~(笑)ファンクラブの尾行とか。時計台の裏とか。。。ホームレスのお友達も沢山いるしね。

お呼び出しの舞台となったLeinster Gardensレインスターガーデンは実在の場所でググったらCentral Line:セントラル・ラインのQueensway:クイーンズウェイ近くみたい。行ったことないが。この奇抜なネタは誰の案だろう、と思ってただけにホントのロンドン、と分かった瞬間ちょっと残念なのは私だけ?(笑・勝手なヤツ) 

 Remind you of anyone, Mary, A facade「ただの見せかけだけだ。何かを思い出させないか、メアリー」

SH:「事件を引き受けよう。Yours. Why didn’t you come to me in the first place? 君の。どうして最初に僕の所へ来なかった?」ジョンを失いたくなかったから、と。

SH「ごめん、今回はそんなありきたりのトリックじゃないんだ」シャーロックだと思っていた奥の影は、実はジョン。「手っ取り早く頼む」(既に呼吸荒く、無理をしているシャーロック)⇒ヒーロー(このいい方がまずければ『主人公』に限界を押させるというのは推理ドラマにおいて全編通じて数回のみ使用可と思われる)

4)『ジョンの業』について―――時間軸前後しちゃうので、先に221B片付けます。緊迫した3人のやり取りが。(5)の回想シーンとして出てくるわけですが。

ほとんど殴り込み状態で帰ってくる3人。キッチンからモルヒネを。ハドソンさん「無いわよそんなもの」SH「じゃああなたの存在理由は何なんです!」そうとう限界寸前。これは肉体的苦痛から来るもの。

 ここから一連の『ジョンの業』考察Byシャーロック、ジョンの怒り暴発シーンは見逃せない。JO「僕の知りあう人間は皆サイコか?」SH「そうだ。次は・・」JO「黙れ!そのまま口を開くな!面白くないぞ、今回は。ちっとも!!」J「面白いとは言ってない」JO「僕が何した?ん?君と一緒になる――運命だと」J「全部だよ」JO「シャーロック――黙れと言ったよな」「大真面目にそうなんだ。君が今までしてきたこ全部がこうなったんだ」「もう一度口を開いたら殺す」

 さらに続く。

SH「君は医者で、戦場へ行った。 平凡な生活に1カ月も耐えきれなかった。中毒者を殴りこみに行った。 親友はソシオパス、クスリやる代わりに犯罪捜査してる。って僕のことだけど。ハロー。 大家は麻薬のカルテルを仕切ってる」

ハドソンさん 「それは夫よ、私はタイプしてただけ」

Sh 「セクシーダンサーもしてたでしょ。ジョン。君はこういったライフスタイルに依存している。危険な状況や人物に異常に惹かれる。 恋した女性が層だったとして、そんな驚くことか?」

JO「彼女は、そうじゃないはずだった・・・何でこうなんだ?!」

Sh「君が、選んだから」

JO 「なんで――いつも、僕のせいなんだ?!」(机蹴り)

f:id:kotorio:20140928064328j:plain←ここのSHの眼が怖いぐらエメラルドがかった透明。一点を見つめて。睨んでいるわけでもなくて。ジョンでもなくメアリでもなく、何かもっと遠いものに焦点が合ってる。死の底から力づくで這い上がって来たSHの眼の光が宿ってる感じ。探偵の眼、と書こうとしたんだけど違うな。職務に忠実で(この世に)戻って来たわけではないから・・・。

 *上記SHのセリフ(↑)には、正直ぐっとこみあげるものが。

 もう出会った頃のようにバカにしてた相棒のジョンでも、また前回のように離れてくのがさびしくてキャンキャンと犬みたいにちょっかい出して繋ぎとめようとしたジョンでもない。もっと言えば「親友」とも違う。親切心から言っているのではないから。親友なら相手を想って言わなくていい内容。今までジョンに「誰一人として指摘してこなかった、そうしてやる人もいなかった」ことを、SH、例えこの時殴られても「一人の大人として」向き合って、1対1でストレートに語った言葉なんじゃないか、と思う。

 SHの直球、さらに続く。

SH:John, listen. Be calm and answer me. What is she?ジョン、いいか、落ちついてきけ。彼女は何だ? JO:My lying wife. うそつきの妻。SH:No違う。What is she?何だ?JO:出会った時から嘘をついて僕の子を妊娠している女だ。SH:No. Not in this flat, not in this room. Right here, right now, what is she? この部屋では違う。今だ、今この瞬間、彼女は何だ?

――ここはシャーロックは、たたみかけるように「what is she?」彼女は何だ?を問いかけている。「Who」(誰)とは聞いていないんですね。

JO:Okay. Your way. Always your way. Sit. 分かった。君のやり方でいこう。いつもの。君のやり方だ。座れ。

 ジョンはメアリーを依頼人席に座らせてSHとの「いつものやり方」で話を聞こう、とここは精いっぱいい感情を押さえながら、順序を作ろうと試みる。

JO:and this is where we sit and listen, then we decide if we want you or not:そして僕たちはそれをここに座って聞き、その依頼を引き受けるかどうか僕たちが決める。)

 なるほど、2回「We」(僕たち)で、きましたね。

 明らかに体調急変の予感のSH。でも最後まで推理を働かせる。メアリーのことをジョンに説明し終えるまでは。メアリーは元スパイ「能力からすると諜報機関で働いていたんだろう」イギリス人ではないはず。彼女の以前の人生は消した、でもマグヌッセンに秘密を握られ、ばれれば一生牢獄だ。彼を殺すことにした。「プロの殺し屋だったわけだ」。彼女の誤算はSH&JOの侵入計画。自分の正体を明かさせないために、撃つはずのマグヌッセンを生かしておき、SHを危篤状態にさせた。2人とも殺そうと思えばできたのに、ジョンに殺人容疑がかかるからやめたわけだ。殺さず重傷を負わせるだけにした完璧な射撃の腕前と撃ってすぐ救急車を呼んでいる。自分を殺すつもりはなかったんだ、と彼女を守る様なことすらジョンに言う。

*さて下の会話、どう解釈したらいいか。

SH「John. Magnussen is all that matters now. You can trust Mary. She saved my life」

ジョン、僕らの敵はマグヌッセンだけ。彼女を信じていい。彼女は僕を救ったんだ。

JO「She shot you.」彼女は君を撃ったんだぞ??SH「まあ色々、複雑だけどな」

――彼女が「急所を外した」のは事実。でも救ったとなるとそこに「主観」が入り、Shの「感情」が表れてくる。すなわち「ジョンを守りたい」その一心が。ここはただひとりの「親友」へ向けて発した言葉なんじゃないか。

 この時、前もって救急車は自分で呼んでその間8分。最後まで語り終えられるように、SHは頭の中で8分を秒単位でスケジューリングして、この会話を自分のペースで作っていった(はず)。到着したときに意識がなくなっていても全部重要ポイントは話終えていられるように。そしてたぶん数秒の誤差もなく、完璧に自分の台本をこなしたんじゃないか。最後に若干変化球で急所の質問は外して――彼はほら『ドラマクイーン』だから。

 SHが力尽きて倒れるシーンが私はホント何度見ても好き。(好きというと語弊があるが)。泣けそうになる。全部彼の計算通りにすすめて、それが終わって「うんまあいろいろ複雑だけど」なんて答えをかるくかわしたとこで、「ミュート」状態にしてた痛みのスイッチ一気に外れる。肉体と精神の極限の状態でいながら、ここの場面を二人のために仕切ったわけで。そこまでして?どうじて。ジョンのためなのか、自らのためか、もっと、大きな「何か」のためか。

 いずれにせよ、これまでのSHとは覚悟の度合いが違う。

5)ホームズ邸のクリスマス。和みシーンだ(笑)張り付けたい画像がいっぱい。

 

あの豪快ママさんは元数学者!という設定。赤い蝶ネクタイの父はお人形のよう。彼女は――But she’s ... unbelievably hot!(子育てのために諦めたけど、今も信じられないぐらいホットなんだ)???まあ一応兄弟は理系の頭脳は引いてるんだ。

2つの場面が同時進行か

シーンA)ジョン&メアリー :

 JO:「The problems of your past are your business. The problems of your future are my privilege.It’s all I have to say. It’s all I need to know. No, I didn’t read it.」

ほう。ジョンは過去を流し(過去は君の問題、でも君の未来は僕との問題でもある) 続いてメアリがあなたは私の名前だって知らない、というと「メアリワトソンでいいじゃないか」と。

 それでもやはり感動シーンには違いない。『かくなる上は早々にメアリを物語から葬らなくては』と考えていてた私にとって(注:これは以後の記事の「まとめ」で再度考察したい)、若干、ジョンの人情によって評決先送りされた感はある。いやあ、フツ―にジョンの真摯でヒューマンな物腰には心から打たれたんだけど。メアリ、あんたは二重の意味で罪な女。ジョンみたいな男はたぶんそうそう居ない。

シーンB)マイク兄&弟SH

*字幕をみたのだが兄、弟ともに「君」/「君」と呼び合っているのがすごく不自然だった。兄は弟に対して「お前」としか呼ばないし、弟はこのマイク兄に対して「兄さん」としか言わない。絶対に「君」なんて、言わない。――と私は思う・・・。

 アイリーン死体確認後の病院風景を彷彿とさせる兄弟喫煙シーン。お庭も広くロンドン郊外高級住宅地ということにでもなっているんでしょうかね。ママがアンタたちタバコ吸っているの?「いや」「マイクロフトが」この二人も恐れる真の英国女王はここに居たのか――。あんたたち、おいくつですか、まったく・・・。

*会話の最初は「マグヌッセンについて」

 二人の見解の違い;兄――ああいう男は「必要悪」。頭も良い。お前の興味を惹くとは思えないが、どうしてそこまで嫌う?

弟:「奴は周りと違う人間を攻撃し、秘密をネタに権力と富を増やすからだ。兄さんこそどうして嫌わない(要考察・重要ポイント)兄:「重要人物には殆ど実害を与えない。頭もいいしビジネスマンで、有益だから。お前が手掛けるべきドラゴンじゃない(暗に「だからもう手を引け、の意味だと)

弟:ドラゴンスレイヤーか。兄さんの眼から見た僕は。兄:いや、それはお前が自分で思っていることだ。

★考察ポイント:弟、自らの好奇心を満たすためでなく、ついに自分が嫌悪し、憎むべき相手に対して(それは守りたいものを脅かす存在)挑もうと決意する。それはもう事件に対し気まぐれに「若くて、自分の能力を誇示し、ヤードをバカにしながらパズルごっこする、へんてこ帽子をかぶった」SH像を自ら演じる事からの卒業。

 ただ怖いのは兄の言葉に象徴されるよう、それが社会全体にとって必ずしも正義の側ではない対象である――ということ。兄はその人物を「必要悪」であり「有益」とさえ言っている。お前が手を汚して始末するような相手ではないと。それでも乗り出す動機は「シャーロックの私情」だよね。一歩間違えるとそれって怖い。その天才的頭脳が限りなく『犯罪』の側に転じかねないぎりぎりのところにすり寄りはじめている――。

 マイク兄:ある仕事を断ってほしい、とSHに。「MI6, they want to place you back into Eastern Europe. An undercover assignment that would prove fatal to you in, I think, about six months.」MI6の(秘密情報部の極秘任務で東欧に戻ってほしいらしい。思うに、命を落とすことになる、6カ月だな) ―-SH:「残念ですがお断りいたします」

Sh:どうして断ってほしいんだ?

 マイクは「何かとお前は英国に居た方が役にたつから」。そしてまた「ドラゴンが来る」と。低タールの兄(ビギナー呼ばわりされる)7mgぐらいの(笑)弟。うまいね。

 also(それに) 家に向かって、SHに背中を見せてつぶやく兄。

マイク: Your loss would break my heart.「お前を失う(死んだら)ことは辛い」

SH:What the hell am I supposed to say to that?!(吹きだして)おいなんて答えりゃいいんだ?

マイク:メリークリスマス Sh:嫌いじゃなかったっけ 

マイク:ああポンチの中に何か入ってたかな SH:そうに違いない、もっと飲んでこい

**考察ポイント★敢えてこの任務を打診したのも別におしゃべりではないのだろう★彼の示唆する「ドラゴン」はラストシーンの「あの」ことを?★タール量も「メリークリスマス」のヒトことも、アイリーンの時の病院での兄弟会話シーンのことだね。★お前を失いたくない、のは兄の半ば本音で。どこか弟の希死願望にも近い不穏なものを察知しているはず★机上の推理と分析力ならSHの上をいくマイク兄だから(現場が苦手なだけ)一口ポンチを飲んで味が違うことぐらい分かったでしょう。変な子分を連れてきていることも。そうそう簡単には騙されまい。作用が廻る前にSHがこれから何をしようとしているか若干勘づいてクギ差し。でも弟勝ち。「もっと飲んでこい」=兄さん、これから僕のやろうとすること邪魔するな、の意味か。 

         その4へ続く。いよいよラスト舞台『アップルドーア』へ潜入