Entre la poire et le fromage 

『洋ナシとチーズの間』 フランスのよしなしごとを徒然なるままに

パトリック・モディアノ氏 2014ノーベル文学賞/喪失と苦痛


Le Français Patrick Modiano remporte le Nobel de littérature

 この人の作品は国立図書館に行って去年の秋いくつか集中して読んだのだが、私の好みではなかった。まあフランスのゴング―ル賞もとっているし、年齢的にも数年候補に挙がっていてフランスならまあこのヒトぐらいしかいなくない?という感じだったけれど(1945年生まれ)昨日の時点で予想5位。フィガロ紙は、いちおう顔写真付きだったけれど、当のフランス各マスコミ媒体が騒いで無かったからね(笑)昨日アップしたように、のきなみ「ジャポンVSケニア」という感じだったから。

 作品は『喪失感』たっぷりな感じがいかにもフランス的。ハマる人はハマる、というのはよく分かる。娘さんが歌手です。

 Patrick Modiano has won the Nobel prize for literature.

★下記英国ガーディアン紙の文芸欄は私の信頼モト。ここのBookClubはオススメです。


Patrick Modiano wins the Nobel prize in literature | Books | The Guardian

2日に発売された仏最新刊。彼の作品は邦訳も沢山出ています。

 【まとめ】フランス在住のしかも物カキを名乗ってるくせしてなんだよこの情報の薄さ。「ノリノリ」じゃなくてスミマセン。せっかくモディアノ情報を期待してアクセスして下さった方、désolé:申し訳ない。

 興味が無いのではなくて、以前期待をしてこのヒトの作品を読んだ痛い過去などもあっただけに(笑)。20代の最初の頃ならともかく、現実が一秒一秒のしかかってくるいま、しかも身分、残金、滞在そのもの(つまり明日)をかけて外国にひとり生きてて、『喪失』がどうのとか『失われた感覚」だとかぼやいてる余裕がない。というか、そういうものに一生懸命になったところで、じぶんの人生の一体何を切り開いてくれたのか、と。これは自分の失敗から言っています。その責任も全部ひっかぶってきょうまで来た。

 私と違って、文句なんか言わず、周囲の誤解も、嫌なことも、いっぱいあってもまあそんなのテキトーに言わせるままに、自分の天職に突き抜けてきた人たちが、今年の物理学賞の3人かもしれない。そこのところは、本人を知らない私が偉そうなことは何も言えない。

 昨日も今日も、行くべきところにどうしても足が向かず、部屋でゲーテをペラペラめくっていた(紙の本)。もう自分で自分の首を絞めているとしか思えないけど。

 ゲーテの全部が好きなわけじゃないけど、基本彼が言っているのは『仕事をしないのは早い死だ』ということ。(注:原文は「自由に呼吸するというだけでは生きているとは言えない、役に立たない生活は死だ」となっている。『イフィゲーニェ』第一幕より)

 社会と関わらず、仕事をせずのんびりしている人間ほどみじめなものはない、とも。今の私がそうで、それから一日も早く脱出したくてもう1年5カ月もあがいて、なお無収入のアリ地獄。そんな人間が『感覚』だの『喪失感』だの言ってお金になれるか?失われた状態から一刻も早く「在る」=存在する 状態へ、死んでいる状態から、生きている状態へ、殆ど生死をかけて闘っている人間が。

 喪失を求めることすら、守られ、安全な中でしかできない。(それが許可された)社会の中のある特定層のゲームなんだ、ということ。

「天国にひとりで居たら、 これより大きな苦痛はあるまい」(ゲーテ)