Entre la poire et le fromage 

『洋ナシとチーズの間』 フランスのよしなしごとを徒然なるままに

ポトフはフランス語ですよ!pot-au-feu、寒い冬の煮込みスープ

Recette Pot-au-feu 

  1月も最後の日となってなんとパリに初雪です。大粒のボタン雪がびゅんびゅん音を立てて落ちてきて、まるで映画の撮影のやらせセットみたいな感じで笑えた。ここのところ急に気温が上がったりしておかしな天気でしたが、12月に降らなかった分ドカ雪が天から落っこちてきた感じ。いやあ、雪のパリもなかなか乙でいいです!!

 冬のレシピをがんがんアップしなきゃすぐに春がやってきちゃうよ、と思っていたところ・笑。よかった、そんなわけで今日はぬくぬく料理のご紹介。

 ポトフはフランス語です!(pot-au-feu、ポトフーとも)は、フランスのれっきとした家庭料理、伝統料理の一つです。きちんとしたレストランからビストロまで冬のメニューの定番。potは鍋や壺、feuは火を示すため、「火にかけたお鍋」って意味ですね。店によって味も外見も天と地ほどの差があります。

材料はいたってシンプル。牛肉やソーセージなどの肉類、大きく荒く切ったにんじん、たまねぎ、かぶ、セロリなどの野菜類をじっくり時間をかけて煮込んだ料理です。だからこそ、スープに味わいが出ます。

塩と香辛料(黒胡椒、ハーブなど)などで味付けを調え、肉や野菜は食べやすい大きさに切ってマスタードを添えます。それぞれ別皿に盛ることも。日本で言うならおでん、ドイツで言うならアイントプフ - WikipediaEintopf・ドイツの家庭煮込みスープ)に近い感じじゃないでしょうか。

Pot-au-feu : la recette facile 簡単ポトフの作り方


Pot au feu - La recette illustrée - MeilleurduChef.com 写真つきの手順が載っている『メイヨーシェフ・コム』よくチェックする、フランスレシピのサイトです。

ほかにもフランスにはさまざまなポトフレシピが。個人的にはごろごろとした固形タイプより、身体が芯から温まるスープ汁たっぷり付きが好み。地方の数だけ、あるいは家庭の数だけ味があるんですよね。こんな風に。
Pot-au-feu : Recette de Pot-au-feu - Marmiton

Pot-au-feu Pot-au-feu Pot-au-feu 

 さてさて、フランス伝統スープ料理といえばもうひとつ有名な、ポテ (potée)は?と思われる鋭い方もいらっしゃるのでは。

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 具だくさんの家庭料理ポテの名前は、元々この料理に使われていた古くからある煮込み鍋に由来します。そう、壺・鍋をあらわすpot(ポット)の派生語。その大きな陶製の鍋に肉をはじめ、キャベツ、カブ、セロリ、ジャガイモなどの季節野菜を入れて、香り高いブイヨンで長時間じっくり煮込みます。フランスの田舎でよく作られる料理で、特に冬に大人気となる栄養満点の一品です。地方ごとに「その土地」の味があり、アンドゥイユ、牛肉、羊肉を入れるところもあれば、南西部の「ガルビュール」ようにカモのコンフィを入れるところも。

 フランシュ=コンテ風(La potée franc-comtoise)は、針葉樹の木で薫製にしたモルトーソーセージのような地元特産の豚肉加工品(ソーセージ、ベーコン、ショルダーベーコン)や肉類を使うのが特徴です。豊かな香りは、新鮮な果実味のジュラ産またはボジョレー産の赤ワインと相性がぴったりとのこと。

 ではポトフとの違いは・・・?

 ポテは1)必ずキャベツを使う、2)ポトフは牛肉、ポテは豚肉、を使用。

ポテの元をたどるとどうやらケルト民族の料理で、フランスだけでなくケルト人が居住した国・地域に類似の料理が今もみられるとのこと。


La potée comtoise - Recettes - Les Carnets de Julie - France 3

宮本輝さんの小説「三十光年の星」たちには、主人公が美味しいポトフを作るシーンが何度も出てくる小説です。ちょうど主人公と同じ歳のとき、たまたま似たような境遇の中で読んだため、非常に印象に残っている物語ですが、説教気味なのがたまにキズ。宮本さんの人間いかに生きるべきか、という教えがたっぷり煮込まれた小説です。