Entre la poire et le fromage 

『洋ナシとチーズの間』 フランスのよしなしごとを徒然なるままに

映画『アニー』仏語版感想 キャメロン大奮闘の巻

 というわけで本日観て来ました、映画版・現代の少女アニー。

 なるほどラジー賞最低リメイク候補に挙がったのも納得。一言で言うと「うん、良かったんじゃ?以外に何も残らない商品映画の典型」。スミマセン、以下辛口閲覧注意。

 そもそもアニメやディズニーやその手のものが小さいときから私苦手で。そういえば高校から大学にかけてラブレターに『アニー』の歌詞を書いてきた奴の気持ちが未だに分からん。いい年してアタマに永遠のお花畑が咲いているとしか思えずあきれた。10歳過ぎて「♪明日は~シアワセ~」で幸せになれちゃうあんたは幸せだよ、と関係を切るいい口実になった。

 舞台を大恐慌直後(ミュージカルでは1933年です)からIT機器を駆使する現代NYに移して、(まるでシャーロックみたいだね)ツボは抑えている。人物設定もかなり変更を加え、意欲と意図は理解できますが。ただ、繰り返される「食べ物吹き出すシーン」は、笑いと分かっていても嫌な感じが残った。NYの摩天楼を眼下に幼児と市長候補がハモってる、なんて普通に考えてどうでしょう(笑)

 映画の至る所に「どう?こんなもんで?」的な、消費産業のスパイスだけが香る。

 日本版のラストは平井堅の『トゥモロー』になっているとか??思わず動画を探してきいてみたら・・・合わない!!感動半減どころじゃないな。

 薄っぺらい映画、ということ以外残らない1時間58分。というと、まあそうでもなくて、唯一キャメロン・ディアス演じるミス・ハニガンがよいキャラを出していた。元C+Cミュージック・ファクトリーってところも、女一人孤児引き取ってしたたかに生きる酒癖の悪い女の悲哀を醸し出すのにうってつけ。キャメロンのもともとアタマよさそうに見えないんだけれど、ホントはファニーな魅力が上手くコラボしてて、時々カット的にやりすぎって思うこともあったけれど。

  

 まあもともとミュージカルなので『暇があったら歌と音楽のお陰で2時間楽しく過ごせます』金返せというほどの駄作じゃありませんからご安心を、という程度。でもミュージカル映画だからこそのアラが多すぎて(アングル的なことなのかな~、なんか上手く脚本とかみ合っていないのです)レミゼに続くって触れ込み文句だったけど、足元にも及ばない。

 個人的にはーー良くも悪くもこれが「NYなんだ」って、アメリカ社会を突きつけられた気持ち。高層ビルの立ち並ぶNY街の空撮はなんとも無機質で、私は今、欧州という深い歴史の井戸を覗き込もうとしながら、片やアメリカ文化を「横輸入」(なんて言葉は実際にはないけれど)の形で見ているから、かえってそこに「ない」ものが浮き彫りにされてしまうような。たぶん、欧州の建物の古さとか、石畳の文化とか、その一つ一つに刻まれた歴史の長い長い営みとか、人間のこころのあやみたいなもの・・・そういうものが「明日はシアワセ~」でひとくくりにされちゃうと、困るんだよな、という。あくまで欧州にいるいまの私の正直な感想で、それを自覚できたのが私にとっての思いがけない収穫だった。ってちょっとねじれているかな。

映画『ANNIE/アニー』本予告 2015年1月24日(土)公開 - YouTube

 日本語版の予告があったので、あ、そうなんだ、日本語にするとこんなせりふだったんだ、と今更ながらに分かった(笑)日本ではどうも好意的にこの映画受け止められているみたいですね。辛口書いてすみません。アメリカではかなり酷評だったとこちらでは流れていたので。日本は根強いアニー文化がありますからね。単なる娯楽映画なのでしょう。ちなみに今日、私が見た映画館は4人ぐらいしかいなかった・・・。

最後に自分のメモとして、It's a hard-knock lifeの歌詞載せておきます。今月これを踊るのかと思うと気が重い・・・。

注)歌詞は著作権協会の申し立てにより削除致しました。