Entre la poire et le fromage 

『洋ナシとチーズの間』 フランスのよしなしごとを徒然なるままに

パリの素敵なブーランジェリー「友達のパン」

先日「エリック・カイザー」をご紹介しました。パリジャンにとってバゲットは「生活」そのもの。日本人にとっての米と沢庵はフランス人のパンとチーズと言われるけれど、それ以上の存在かもしれない。

パリの人は住まいの近くに顔なじみの「myパン屋さん」を持つ。宵越しのバゲッドなど絶対に口にしない。朝昼晩と3回買いに行くなんてこともザラらしい。

つまり、パン屋を除けば地域が見える。

そんなわけで、エリックカイザーさんに続き、パリ市内で「美味しい」と地元の皆さんに評判のブーランジェリーを幾つか訪ねてみることにしました。

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今日ご紹介するのは10区、サンマルタン運河近くの「Du Pain Et Des Idées」 デュ・パン・エ・デ・ジデ。

オーナーはクリストフ・ヴァスールさん。中学の頃からパン職人を目指していたのが、医師のエリート両親から猛反対にあい大学を終えてファッション業界へ。ところが32歳の時にやはりパンへの思い捨てきれず、一から修行開始。2002年に自身のお店をオープンしたという経歴の持ち主。

「とにかく『時を経てきた』ことを感じたい」と、100年以上前の歴史的建造物である物件を買い取りました。家具も古道具屋を自ら歩いて調達する徹底ぶり。

彼のパンの製法も同じくらい古くて19世紀の伝統的な作り方にこだわったそう。良い素材によってつくられたパンはたちまち評判に。2008年には「Gault et Millau(ゴー・エ・ミヨ)」で「ベストブーランジュリー・オブ・パリ」に輝き、「アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ」を始め、多くの星付きレストランに卸されています。

そういえば今年6月、7月に日本初上陸。東京・青山で限定発売されたとか。

このお店の名物は「パン・デ・ザミ」とパリジャンが即答するぐらい。直訳すると「友達のパン」・・・???誕生秘話はル・フィガロに載っていました。

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「友達を呼んで食事をした時に、2日置いてあった生地を1時間ほどかけて焼いてみた。するとどうしてこのパン、お店にないのか、と聞かれた。友達が来るから手間をかけて焼いただけだと言ったのだけれど「これ絶対売れ」と勧められたのです。それがパン・デ・ザミ」。色の濃い部分は焦げているのではなくてローストしている。2日間はそのまま食べられるし、フォアグラや蜂蜜と一緒でも素敵なマリアージュ。アラン・デュカスはこれを一口食べてノックアウト。今やパラスホテル(五つ星のそのまた上)の最高級レストランで、銀のワゴンで運ばれているのだから。

夢は情熱の火をともせば、きっと回り道したって叶うんだね。

Du Pain et Des Idées - Boulangerie Fine Paris 10ème - Accueil

住所:34 rue Yves Toudic 75010 Paris
TEL:01 42 40 44 52
営業時間:月~金6:45-20:00
休業日:土・日