Entre la poire et le fromage 

『洋ナシとチーズの間』 フランスのよしなしごとを徒然なるままに

美食の達人 フレンチシェフ第2回 アラン・パッサールさん 

「肉の魔術師」と呼ばれ、火入れの天才と言われたアラン・パッサール氏。

ヘルシーな料理がモードとなった2002年、自身の菜園をつくり、野菜中心の料理の火付け役となりました。

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7区のロダン美術館前にあるレストラン「アルページュArpège」三ツ星を維持し続け、変わり続けています。

氏によれば、料理に大切なのは創造する力。

ダンサー、音楽家、画家、彫刻家ーー常にアイディアを持ち続けるクリエイティブな職業は皆同じだ、といいます。

だからこそ、料理人は音楽、アート、建築、常にアンテナを張って、アイディアの泉を溢れさせていることが大切だといいます。
探し、考え、探す。考えなくなったら終わりだと。

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パッサールさんは、芸術方面に多彩であることが知られています。
自身でもデッサンを描き、音楽を演じる。手先を使う細かい作業が得意だそうで、それらは全て、料理へのインスピレーションに繋がると言います。
レストランにあるアート作品はすべてパッサールさんが手がけたもの。
ブロンズ像から水彩画、椅子まで。隣に自身のアトリエをもっています。

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それもそのはず、叔父が彫刻家、父が音楽家、母が洋服デザイナーという芸術一家に生まれたパッサールさん。アートが身近にあり「手で生み出す仕事をしたい」との思いから、14歳で「リフレ Liffré」に修行に入りました。

その後、ランスの「ラ・ショーミエール(La Chaumière à Reims)」ジェラール・ボワイエ氏(Gérard Boyer)の元へ。この二つのレストランで、火入れ、味付けなど、料理の基礎をしっかりと叩き込みます。

満を持して、パリでアラン・サンドランス氏のもとへ。クラシックから離れたモダンな料理法に出会い、ここで彼は「オリジナリティ」を芯に据えることになります。

26歳・最年少で「ル・デュック・ドンギァン Le Duc d’Enghien au Casino d’Enghien」で二つ星を。

その後、ブリュッセルの「カールトン( Carlton)」でも二つ星をとります。

30歳でアラン・サンドランスさんのお店をパッサールさんが引きついで、40歳で3つ星レストランに育て上げました。

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肉料理がメインだったフランス料理をヘルシーな「野菜中心」へと改革したのはほぼパッサールさん、と言っても過言ではないでしょう。

「フランスにはたくさんの野菜があって、身体は季節のものを求めていますよね。我々の菜園でできることはまだまだあります。もっと探求していきたい」

彼の哲学は「仕事は、仕事をすることでしか伸びない。とにかくたくさん働いて、全てを掴み取って下さい」ということ。

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シンプルかつ季節の料理にこれからもこだわって行きたいというパッサールさん。

手の柔軟性、俊敏さ、食材への距離感といったものは、仕事をすることでしか伸びないといいます。手は使えば使うほど、洗練さ、「創造する可能性」は死ぬその瞬間まで、高め続けていけるんだよ、とも。

Site Officiel de l'Arpege, Restaurant trois étoiles du Chef Alain Passard

Arpège Restaurant
84, Rue de Varenne 75007 Paris + 33 (0)1 47 05 09 06