Entre la poire et le fromage 

『洋ナシとチーズの間』 フランスのよしなしごとを徒然なるままに

シリアの豊かな食文化をパリでーーーシリア難民が掴んだチャンス

フランスのみならず、ヨーロッパでは、難民に関するニュースが絶えません。

マクロン大統領の昨年の選挙戦でも最大の争点となっていたほど。

2015年以降、相次ぐテロの影響で、シリア難民やイスラム教徒に対する誤解、

不信感を拡大させるという心配もあります。

少しずつですが、良い変化が見え始めています。美食の街パリで、

食を通じての異文化受け入れと理解を進めようというプロジェクトです。

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家庭料理を通じて異なる文化の交流を支援するフランスの団体、

Food Sweet Food(フード・スイート・フード)をご紹介しましょう。

Food Sweet Food

2016年に、パリで「Refugees Food Festival(リフュジーズ・フード・フェスティバル)」という食のフェアを一週間にわたり開催しました。

Refugeesは難民というフランス語です。

f:id:kotorio:20180605182939p:plain  Paris - Refugee Food Festival

プロのシェフが、自分の店以外のレストランへ赴き、そこでヘッドシェフを務め、

何かしら、一味違うサプライズ料理を提供するという趣旨です。

このフェアの中心人物となり、フランス各地のレストランで腕を振るったのが、

なんとシリア難民のモハメッド・エル・ハルディさん。

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シリアの首都ダマスカス出身のモハメッドさんは、妻と3人の子供たちとともに

地中海を渡り、2015年の年末にフランスに入国しました。

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左)モハメッド・エル・ハルディ氏 右)L’Ami Jeanオーナーシェフ

ドイツへの受け入れを目指す難民が多い中、フランスを選んだのは「世界屈指の食の都だから」。実はモハメッドさんは、シリアで20年間、2つのレストランのオーナーシェフとして働き、まだ学びたい、働きたいというエネルギーを持っていました。

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そこでこのフェスに参加、パリで大人気のフレンチレストラン「L’Ami Jean(ラミ・ジャン)」のシェフと共に「シリアとフレンチのフュージョン料理」を提供したのです。これにはお客さんが大喜び、大盛況となりました。

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さらに、2017年7月、シリア難民である女性が、パティスリーmaison aleph (メゾン・アレフ)をオープンし、話題となりました。

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Maison Aleph - ホーム | Facebook

20 rue de la verrerie 75004 Paris

歴史的シリア地区「レアント」というエリアに伝わる、シリアの伝統スイーツを提供しています。

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これまでは、シリアやレバノンのお菓子というと、溢れんばかりのハチミツ、花の香りや強烈な甘さの、アラブ菓子とイメージされることが多かったようです。

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シリア難民であり、この店のオーナー、ミリアム・サベさんは「違う、私の故郷のお菓子はそんなんじゃない」とパリに来てから思っていたそうです。

金融関連の仕事をしていましたが、3年半前に辞めてレバノンへ渡りました。

パティスリーの修行を積んだ後、パリへもどって、正式にフランスの職業訓練学校で国家資格を取り、お店のオープンにこぎつけたそうです。

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お店に並ぶのは、マカロンのような小さい焼き菓子。甘さは冷え目ですが、ナッツ、ピスタチオ、フランス産バター、オレンジフラワーなど、素材の風味を活かした味わい。上質で品があり、地元の人々にすぐさま話題となりました。

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育った背景、言語や宗教、肌の色が違う人々が、パリにはたくさんいます。

それでも、そこには何かしら「食」を通して、通じ合えるものがあったのでは。

「難民」というレッテルとの戦い。紛争のないヨーロッパの国のどこかで、新たな人生を一からはじめてみたいと、命がけでやってくるシリアの人々も多いです。

彼らがこの国で働いて、自立するチャンスを与えられる機会はごくわずかで、上記はほんの成功例の一つにすぎないかもしれません。

しかし、シリアや「難民」を、違った視点から受け入れてみよう、接してみようとしているパリの人々の草の根レベルの取り組みが少しずつ知られはじめていることも、ぜひ日本の皆様に、お伝えしたいと思いました。

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